ひざ痛が気になる…自宅でできるセルフケアって?

ひざは日常生活でもよく使われる部位の1つです。
歩く、走る、立つ、しゃがむ、正座など、生活のさまざまな場面で使われています。
私の臨床経験上では、身体の痛みや悩みで多い症状が、首・肩痛、腰痛に続き“ひざ痛”です。
多くの方が悩みを抱えるひざ痛対処法にはどのようなものがあるのでしょうか?

ひざが痛い原因

ひざが痛い原因で考えられるのは以下のようなものがあります。
・体重過多
・運動不足
・筋力低下
・筋疲労
・血液の循環不良
・トリガーポイント

体重が増えると、多くの方が運動不足になります。運動不足になると筋肉が使われなくなりますが、使われない筋肉は徐々に筋力が低下します。
そして、筋力が低下してしまうと、少ない筋肉量で体重を支えなくてはならなくなり、筋肉はオーバーユース(使いすぎ)となって筋疲労を起こしてしまいます。

筋疲労を起こした筋肉は硬くなり、血管を圧迫し血液循環を悪化させます。血液は酸素や栄養を筋肉などの組織に運ぶので、その機能が低下すると筋肉はさらに酸欠状態となってしまいます。

上記の原因が重なると“トリガーポイント”を作り出し、これが痛みを発生させます。
また、体重が増え体型が変わると立ち方・歩き方なども変化するためにトリガーポイントができやすくなると考えられます。

トリガーポイントとは?

最終的な痛みの原因は、上記の複数要因による“トリガーポイント”が引き起こしています。
“トリガーポイント”とはツボのようなものです。

この、筋肉にできてしまった“トリガーポイント”に一定以上の力(体重など)が加わると強い痛みを感じてしまいます。
仰向けでひざを空中で曲げ伸ばししても、ひざは痛くないですよね?でも、スクワットや階段を上り下りする時、ひどい方だと歩くだけでも痛みが出てしまいます。

必ずしも関節が痛みの原因ではない?

あなたのひざの痛みは関節が原因ではないかもしれません。
病院・整骨院の先生からの説明やインターネット上の解説では、ひざの痛みの原因はこう言われています。

・ひざの軟骨がすり減っている
・半月板がつぶれている
・関節内がつぶれて狭くなっている

実はこれ、正確に言うと痛みの直接的な原因ではないのです。
確かに、レントゲンMRIなどでひざを撮影すると、実際に関節内が狭く見えることがあります。しかし、これは年齢とともに誰もが変性していくものなのです。
上記がひざの痛みではない理由は、軟骨や半月板自体に神経が無いため、痛みを感じないからです。

髪や爪と一緒です。髪や爪は切っても痛くないですよね?
ただし、軟骨のすり減りが直接の原因ではなくでも、軟骨がすり減ったそのカスが原因で炎症を起こしているケースもあります。

ほかにも、ひざの骨自体が変形する、骨粗しょう症などによる骨折、病気などの場合も痛みが出るということがあります。
腫れがあったり、熱がある、皮膚が赤くなっている日数が長い、その部分をケガした覚えがある、などの場合は、トリガーポイントではなく炎症を起こしている可能性が高くなります。

上記のような炎症の悪化を防ぐためにも、腫れているときにしばらく運動を中止しましょう。

また、上記の原因のほかに、当院の患者さんにも多い原因が筋肉の問題です。
筋肉の痛みを解消するだけで、軟骨のすり減りだと思っていた痛みがかなり軽減されます。

このように、関節軟骨がすり減っているのが原因(直接の原因ではないのに)と「思い込む」と痛みを強く感じるようになってしまうのです。
これはノセボ効果と言ってプラセボ効果(※)の逆に当たります。
ですから、痛みを気にしすぎないのもポイントですし、正しい知識とケアを学ぶことが大切です。

ただ、やはりひざに不安がある…という方は、まずは医師の診察を受けていただくことをおすすめします。

※プラセボ効果…有効成分を含まない(治療効果のない)薬(=プラセボ)を飲んでも、プラセボと知らずに薬を飲むことによって、「薬を飲んだから治る!」という心理的効果がはたらき、(実際は効果がないのに)症状が緩和・快方に向かう現象。

トリガーポイントにアプローチする

トリガーポイントから離れた部位にも痛みが出ることがあります。
これを“トリガーポイントの関連痛”と呼びます。

このトリガーポイントを解除する(ゆるめる)ことでひざの痛みを軽減・解消することができるのです。
ただし、トリガーポイントをゆるめることで痛みは軽減・解消できますが、まったく運動をしなくて良いというわけではありません。
痛みの直接の原因はトリガーポイントでも、根本的な要因は運動不足ですからね。
運動不足を改善しない限り、痛みは再発してしまうでしょう。

運動する気はあっても、痛みがあるひざで走るなんて大変ですし、ジムで水中ウォーキングやエアロビクスに参加するなんて恥ずかしいし続かなそう…しんどいのは嫌いだし…。

気持ちは分かります。ですので、まずは自宅で簡単にできるセルフケアを実践していただき、痛みが軽減・解消してから運動を開始するという流れでゆっくりと改善していきましょう。

自宅でできるセルフケア

ひざの痛みは内側に出る方が多いです。
今回は、ひざの内側の痛みに関するトリガーポイントのゆるめ方をご紹介します。

狙うポイントは、写真のようにひざの上の内側辺りの位置です(押すと痛みが強いところ)
当院の患者さんにもセルフケアとしておすすめしているものです。

セルフケア① 開脚ストレッチ

直接的な効果はありませんが、太ももの内側の筋肉が硬い場合、せっかくケアしても効果が薄れてしまいます。
しっかりと伸ばしておきましょう。

・床に座りできるだけ脚を開く
・上半身を前に倒し股関節と内ももを伸ばす
・痛気持ちいいところでしばらくキープしましょう(30~90秒)

セルフケア② ひざの内側のトリガーポイントのプッシュ

トリガーポイントをほぐしてひざの痛みを軽減・解消しましょう。

・片脚を伸ばし、ひざの上の内側の筋肉に指をあてる
・押すと痛みが強い部位を見つける
・そのポイントを指でほぐす
・または押しっぱなしにして、最初の痛みから半分ほどの痛みになるまで待つ(30~90秒)

セルフケア③ ひざの内側のトリガーポイントほぐし

・椅子にすわり、押すと痛い部位を見つける

・痛い部位を押したまま、ひざの曲げ伸ばしをする(1カ所を5回くらいで周辺をまんべんなく行います)

以上が簡単にできるひざのセルフケアになります。

トリガーポイントのケアには少々痛みをともないます。
同じ強さで違うところを押しても痛くないのに、その部分を押すと痛みが強い場合はそこがトリガーポイントだと考えてください。
続けてケアをしていただければ徐々にひざの痛みはなくなっていきますので、ぜひやってみてください。くれぐれも無理はなさらないように。

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牧野 淳一

牧野 淳一

東京・恵比寿のフィットネスクラブにてインストラクター及びパーソナルトレーナーを10年経験後、柔道整復師免許を取得し治療家の道に進む。現在はまきの接骨院の院長として日々施術を行っている。