もう秋なのに寝苦しい…上質な眠りをとるコツって?

9月になっても残暑が厳しく「寝苦しい」日々が続くことが多くないですか。寝苦しさが続いて長引いてしまうと、健康への影響も心配になります。
そこで今回は、寝苦しさを少しでも解消するべく、寝室環境に焦点を当てていきたいと思います。

温度と湿度が一番大切? 寝室の環境作りを重視しよう

寝室環境は大きく睡眠に影響することがわかっています。室内照度、騒音、振動など様々な要因があります。
特に気を付けておくべき要因として、温度・湿度による影響と、寝具による影響を詳しく見ていきましょう。

温度と湿度が睡眠に大きく影響してしまう理由1 体温低下が起きにくくなってしまう

まず、睡眠のメカニズムを説明します。
睡眠にはサイクルがあり、深い睡眠の「ノンレム睡眠」と浅い睡眠の「レム睡眠」を繰り返しています。
そして、深い睡眠の「ノンレム睡眠」にも実は深さの段階があり、段階が深いほど睡眠の質がよくなります。

人は眠りに入るときに体温が下がり、この体温低下が睡眠の深さ、つまり睡眠の質に関わってきます。
良い入眠ならば、深部体温も1℃低下し、一番深い睡眠段階4に行きます。
しかし、特に夏季は、温度・湿度が高いために体温低下が起こりにくく、睡眠段階3にとどまってしまうことがあります。
入眠して最初のサイクルが一番深い睡眠段階4になりやすく、次のサイクルでは徐々に睡眠段階が浅くなる傾向にあります。そのため、最初のサイクルで睡眠段階3になってしまうと、次のサイクル以降でも睡眠段階4が得られず、睡眠が浅くなりがちです。

温度と湿度が睡眠に大きく影響してしまう理由2 睡眠効率が下がってしまう

睡眠効率とは、就床している時間のうち「実際に眠っている総睡眠時間の占める割合」のことです。90%以上あれば睡眠に関しては良好であると言えます。

しかし、室温が32℃、湿度80%の環境下で寝ると、睡眠効率が78%にまで低下するという調査結果があります。これは、入眠時の温度と湿度が適切でないために本来起こるはずの体温低下が起こらず、何度も目がさめてしまい(途中覚醒)睡眠効率が下がってしまった現象です。

しかし、興味深い調査結果があります。
先ほどの室温が32℃、湿度80%の環境下でも、足元に扇風機でそよ風を当てると、中途覚醒も起きにくく、睡眠効率が問題のない数値まで大幅に改善されていたということでした。

温度・湿度の理想の数字とは

最も快適な環境は、夏季は室温26℃、湿度50~60%とされています。
冬季は布団などを使いますので、16~19℃、湿度は夏季と変わらず50~60%が最も寝心地が良いとされています。
ぽっちゃりさんは、特にこの数値にできるだけ近い環境を保つためにも、夏季の室温管理の基本はエアコンをうまく使うことが大切になるでしょう。しかし、冷房が苦手な人と同じ部屋で寝る場合は、温度を巡って争うことも悩みの種になりやすいもの。
そこで、エアコンの温度設定は相手のかたの希望温度にして、ぽっちゃりさんの足元にだけ扇風機でそよ風をあてるなど、エアコンと扇風機をうまく組み合わせて使用することをお勧めします。

ぽっちゃりさんの寝具選びのコツ

ぽっちゃりさんのベッドの硬さはより慎重に

寝室環境で、もう一つ気を付けて頂きたいものに寝具があります。ぽっちゃりさんは特にベッドの硬さが重要です。柔らかすぎると、体重の重みで寝具が沈み込んで体温がこもり、体温低下が起きにくくなってしまいます。
また、人は一般的に一晩で20~30回程度の寝返りをします。柔らかすぎてしまうと寝返りがしにくくなりますので注意が必要です。
逆に硬すぎてしまうと、体重が分散されずピンポイントの部位で支えることとなり、その部位に大きな負担がかかってしまいます。特に腰に負担をかけてしまうこともありますので注意が必要です。

寝るときの姿勢で大切になる3つのポイント

寝るときの姿勢ポイント1 適切な背骨のS字カーブ

人は重い頭を支えるために背骨が前後にゆるやかなS字カーブとなっています。そこで、仰向けに寝た場合は、このS字カーブが適切に保てるベッドの硬さが大切になります。

寝るときの姿勢ポイント2 横に寝た場合の背骨は一直線に

後ろから見た場合は、背骨は一直線になっている必要があります。寝返りをして横向きになった場合は、柔らかすぎると歪んでしまい、一直線にならなくなります。

寝るときの姿勢ポイント3 枕の高さはより重要

もしいびきをかいているのなら、上気道(呼吸器のうち、鼻・鼻腔~喉の上位部分まで)が狭くなってしまっている可能性があります。少しでも気道を確保するためには、枕の高さはとても大切です。
人は立っているときには、横から見ると頭が少し前に出ています。その前に出ている分が保てる枕の高さが必要となります。枕が高すぎてしまうと気道を狭めてしまうことになりますので注意が必要です。首の部分が空洞になることがないよう、頭を支えるのではなく、頭と首をえる枕選びが大切です。
上気道がより狭くなってしまうと、閉塞性の睡眠時無呼吸症候群のリスクも高まってしまいますので気をつけましょう。

今使っている寝具を見直してみませんか?

寝苦しい夜は誰にとっても大敵です。自分に合った温度・湿度の管理や寝具を工夫するだけでも、良質な睡眠が得られやすくなります。普段の入眠時間が30分以上かかる人を対象にした調査では、枕の表面温度が16℃の冷却枕を使用したところ、10分程度短縮したという調査結果もあります。自分のやりやすい方法から試してみてはいかがでしょうか。

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見波 利幸

見波 利幸

日本メンタルヘルス講師認定協会 代表理事 メンタルヘルスがまだ一般的でない時期より1日研修を実施するなど、日本のメンタルヘルス研修の草分け的な存在で多くの著書をもつ。健康を保つための1つとして、上級睡眠健康指導士の資格を持ち、睡眠への造詣が深い。